産後の不調

産後に起こるさまざまな不調は、骨盤のゆがみが原因になっている可能性があります。
妊娠、出産にともなう骨盤の変化と、引き起こされやすい症状をこちらでみていきましょう。

 

【産後に骨盤がゆがんでしまう理由】

出産時、赤ちゃんは骨盤を通過する必要があります。
そのために、妊娠をきっかけに「リラキシン」と呼ばれるホルモンが分泌され、骨格を繋ぎ止めている靭帯が緩められます。

無事出産を終えたあとは2.3日ほどでリラキシンの分泌は低下し、緩んだ骨盤が元の状態に戻ろうとします。
しかし、妊娠中に身についた前側重心の姿勢や、授乳、抱っこなど骨盤に負担のかかる動作が積み重なることで、ゆがんだ状態で固まりやすくなります。

 

【骨盤底筋群について】

骨盤底筋群とは、骨盤の底をハンモックのように支えている筋肉になります。
出産時に骨盤が大きく開いてしまう影響で、産後は骨盤底筋群が緩んだ状態のまま残りやすいです。
骨盤底筋群は骨盤の位置を支えている筋肉のため、緊張が緩むことで身体にさまざまな問題が生じやすくなります。

 

【産後に起こりやすい症状】

・肩こり、腰痛

骨盤は身体を支える土台となる骨格です。
その土台部分が傾くことで猫背や反り腰といった不良姿勢になると、肩や腰まわりの筋肉に疲労がたまりやすくなります。

 

・体型の変化

骨盤が開いた状態では、お尻が大きくみえやすくなります。
また、骨盤のゆがみから反り腰の姿勢になっていると、お腹がポッコリと突き出しやすくもなっています。

 

・尿漏れ

ゆがみによって骨盤内の臓器の位置が下がり、膀胱が圧迫されることで尿漏れを起こしやすくなります。
また骨盤底筋群は、尿道を閉めて排尿をコントロールする役割もあるといわれています。

 

・腱鞘炎

産後は女性ホルモンのバランスの崩れから、腱鞘が腫れやすくなっています。
加えて赤ちゃんの抱っこや授乳動作で手首に負担がかかり、腱鞘炎を引き起こすことがあります。

産後のトラブル改善を目的とした施術に「産後骨盤矯正」があります。
自身でできる骨盤ケアの方法とあわせて、産後骨盤矯正の特徴やメリットをご紹介します。

 

【産後骨盤矯正とは】

産後骨盤矯正とは、出産を機にゆがんでしまった骨盤を本来の位置に矯正していく施術です。
また施術とともに、骨盤底筋群もしっかり使えるように鍛えていきます。

個人差はありますが、出産による身体への影響が回復してくる産後1ヶ月後を目安に受けていただけます。
リラキシンの分泌が減少し、骨盤が固まってしまう産後半年以内に矯正することが理想とされます。

産後は骨盤がゆがみ、さまざまな不調を生じやすくなっています。
しかし、骨格が緩んでいる状態だからこそ矯正を加えやすく、妊娠前にあった身体のゆがみをリセットできる良い機会だともいえます。

 

【産後骨盤矯正のメリット】

●姿勢の改善

骨盤が本来の位置に戻ってくるため、猫背や反り腰といった不良姿勢の改善が期待できます。
背中が伸びた正しい姿勢になることで、首や肩、腰まわりの筋肉にかかる負担が軽減されます。

 

●体型が戻りやすくなる

骨盤の開いた状態が解消されるため、お尻が小さくなるヒップアップ効果を期待できます。
また骨盤周辺の代謝も向上してきますので、脂肪が燃えやすい身体となれます。

 

●骨盤底筋群の機能回復

骨盤底筋群の機能が回復することで、内臓の位置が安定してきます。
また、排尿のコントロールも正常に戻ってきますので、尿漏れの改善が期待できます。

 

【自身で行える骨盤ケア】

●膝倒し

仰向けに寝て、両膝を立てます。
上半身はそのままで、足を床につけた状態で両膝を左右交互に倒します。
最初は倒しにくい方があるかもしれませんが、交互に倒していくうちに徐々に矯正されていきます。

●骨盤底筋群のトレーニング

両膝の間にクッションを挟みます。
息を吐きながら膝でクッションを潰すようにして、骨盤底筋群を鍛えていきます。